相続人が正しくもらうシンプル講座

親の死は、いつか必ずやって来ます。

そして相続に、誰もが直面することになるのです。

親がいなくなった世界での親戚付き合いを、想像してみたことはありますか?

平穏な日常が変わり、大切な人がいなくなることで、難しい問題に巻き込まれることは、誰もが避けたいと考えます。

親の存在により均衡を保っていた親族との関係も、親の死を機に変化せざるを得ません。

これまでのわだかまりが、一気に噴出し、争う可能性すらあるのです。

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相続人とは

相続人となり得る者は、被相続人の配偶者、子、生きて生まれたら胎児も含まれます。

そして直系尊属および兄弟姉妹です。

あなたより目上が尊属、あまりいい言葉ではありませんが、自分より目下が卑属といいます。

直系尊属は、あなたの親、おじいちゃんやおばあちゃんが上の世代で、どのような順位で相続人というものが決まるのかというと、第一順位は子、第二順位は直系尊属、第三順位が兄弟姉妹です。

どの順位の組み合わせであっても配偶者、つまり法律上の婚姻関係にある者は、それらと同順位の相続人になります。

そして第一順位、第二順位、第三順位の相続人が、並存することはありません。

第一順位の子供がいれば、その者と配偶者との組み合わせ、子共がいないときには直系尊属と配偶者の組み合わせ、その直系尊属もいないときに、兄弟姉妹と配偶者という組み合わせになります。

そしてこの子共の概念に、嫡出子、非嫡出子、実子、養子の区別はありません。

そして胎児もまた、既に生まれたものとみなされます。

代襲相続

相続人である子又は兄弟姉妹が、相続開始以前に死亡していたり、相続欠格、廃除によって相続権を失っている場合に、その相続人の直系卑属が代わりに相続する制度を代襲相続といいます。

これは同時死亡も含まれる概念です。

被代襲者(代襲される者)は、本来、相続人になるべき者ですが、同時死亡を含めた以前の死亡、相続欠格、廃除などで、相続権がないという場合に、それが被相続人の兄弟姉妹だとすれば、兄弟姉妹の子は代襲相続人ですが、さらにその下の世代には行きません。

つまり、亡くなった方からみて、甥っ子、姪っ子の世代までは代襲相続があり得るということです。

さらに、その下の世代に行くことはありません。

ようするに、一つ世代を飛ばす形での相続が、代襲相続だということです。

相続放棄の場合は、代襲相続は認められません。

縁組前の養子の子、つまり、養子縁組前の時点で、既に生まれていた養子の子については、養親及び養親の血族との親族関係はありませんので、養子の代襲相続人にはなりません。

相続欠格

相続に関して、不正の利益を得ようとして、不法な行為をしようとした者の相続権を法律上剥奪する制度です。

どのような事情があれば欠格のなるのでしょうか?

  • 故意に被相続人又は相続についての先順位、もしくは同順位にある者を死亡するに至らせ、また至らせようとしたため、刑に処せられた者
  • 被相続人が殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者
  • 詐欺又は強迫によって、被相続人の遺言の作成、撤回、取消し、変更を妨げた者
  • 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消させ、又は変更させた者
  • 相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者

ようするに不届き者、そういった者には相続人の地位は与えないということです。

推定相続人の廃除

遺留分を有する推定相続という言葉の中に、兄弟姉妹は含まれません。

つまり、第三順位の兄弟姉妹には、遺留分がないということです。

相続が開始した場合に、相続人になるべき者は、まだ、相続が開始していないので、相続人になる予定の者を推定相続人と言います。

家庭内暴力とか、親にさんざん迷惑をかけ暴力をふるうという人を、被相続人又は遺言執行者の請求によって、家庭裁判所の審判により、その推定相続人の相続権を失わせる制度です。

これは、生前行うということも、遺言によって行うこともできます。

なお被相続人は、いつでも推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができます。

廃除の手続きを取った後に、しゅんとうなだれて、心を入れ替えますということであれば、許してやろうということです。

しかし、この廃除が認められるケースというのは、そんなにないということです。

法定相続分

配偶者と子の組み合わせは、配偶者が半分、子供グループで半分です。

お子さんが2人いれば、配偶者は1/2、そして子供は1人あたま1/4ということになります。

半分が子供の数で頭割りされるということです。

また非嫡出子は1/2であるという規定が、旧民法においては存在していましたが、違憲とされ改めてられましたので、嫡出子と非嫡出子の区別はありません。

そして配偶者と第二順位の直系尊属との組み合わせは2:1で、配偶者と兄弟姉妹との組み合わせは3:1になります。

なお、養子は嫡出子です。

普通養子が亡くなった場合に、その相続人に配偶者、実父母、養父母がいれば、実父母も養父母も、直系尊属としての相続人になります。

第二順位の直系尊属が相続人になるというケースです。

その亡くなった養子に、子供がいない場合、実父母と養父母がいるということであれば、頭割りされます。

普通養子は、実方との縁は切れないということです。

これが、特別養子との違いです。

遺産分割

共同相続の場合に、相続財産を分割して各相続人に分配することです。

例えば亡くなったのがお父さん、その奥さんとお子さんの2人が相続人になったときに、お父さんが残した財産は、その奥さんとお子さんの2人が抽象的に1/2ずつ共有するということになります。

例えば不動産については、全部お子さんの名義にする。

預貯金については、奥さんが取得する。

個別具体的な財産を分け合うということが、遺産分割です。

では、どういう方法があるかというと、協議分割、裁判分割、遺言による分割の指定の3つです。

協議分割

いわゆる遺産分割協議です。

被相続人が「しばらく止めといて!」と、遺言で言っている場合は、しばらく禁じられるということになりますが、そうでないときは、いつでも遺産分割協議ができます。

裁判分割

よくある遺産分割調停、あるいは遺産分割審判で、裁判所を利用することです。

遺言による分割の指定

被相続人が遺言で、遺産分割の方法を定めることです。

例えば長男には、家を守ってもらわなければいけないから土地建物。

次男にはそれより少ないかもしれないが、◯◯銀行の◯◯という口座の残高全部というように、お前にはこれ、お前にはこれという指定をすることです。

遺産分割協議の当事者

遺産分割協議の当事者は共同相続人全員です。

誰かを除外して、行うことはできません。

必要な人が存在しない形で協議が行われても、それは無効です。

問題は認知、しかも死後認知です。

例えば、お父さんが亡くなって3年以内であれば、認知の訴えができます。

認知の効力には遡及効がありますから、認知を求めた者の出生のときに遡ります。

そうなるとい、このような事態が起き得ます。

遺産分割協議をしたときに、相続人でなかった者が、後から亡くなったお父さんに対して認知の訴えを起こして認められた。

その結果、最初から相続人だったと、後から付け加わってくるような場合があります。

相続人になるべき者がいたのに、その者を除外して行った遺産分割協議だったということで無効ということでやり直しになるかというと、それは経済的ではありません。

価額賠償、その者の取り分に見合うお金を支払うということで、解決させます。

遺産分割の効果

相続開始のときに遡ります。

遺産分割協議と解除

法定解除

これは一方的なので、できません。

遺産分割協議は、全員合意でなさなければいけない…という発想から外れてしまうということです。

合意解除

これは、できます。

遺産分割協議のやり直しをすれば、構わないという発想です。

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