相続税節税テクニック

相続税を減額するためのテクニックは存在します。

税金の世界は、知らない人は損をして、知っている人が得をしています。

遺産分割も無事に終わり、あとは相続税を納めるだけとなり、相続税を申告しようと試算してみると税金の重さに直面し、少しでも減らす方法を考えます。

富裕層向けに税制の盲点を突くような方法もありますが、一般の家庭で活用できる方法も存在するのです。

相続税対策に効果を発揮する3大ポイントを解説します。

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財産を減らす

相続する財産そのものを減らし、相続税が課税される対象自体をなくしてしまう方法です。

生前贈与

被相続人が亡くなった後に遺産を家族が受け継ぐと相続税がかかりますが、生きているうちに財産を与えれば相続税はかかりません。

しかし、生きているうちに財産を贈与すると贈与税を払わなければいけません。

しかも贈与税は相続税よりも高いのです。

それなのになぜ、生前贈与は効果的といわれるのでしょうか?

それは、1人につき年間110万円までの贈与であれば、基礎控除されるからなのです。

贈与税は贈与する側ではなく、もらった人が払うものです。

そのため、日常生活に必要な生活費や教育上必要な費用をもらうことは、控除すべきという考えが基本となっています。

子や孫5人に贈与した場合、110×5=550万円を非課税で贈与することができるのです。

毎年コツコツと贈与を続ければ、税金を払うことなく、しかも自分の意思で、子や孫へ財産を移転することが可能となります。

おしどり夫婦の特例

婚姻して20年以上の夫婦間で居住用の不動産を贈与する場合、または居住用の不動産を取得する場合は、2,000万円までの贈与であれば贈与税がかからないというものです。

生命保険

生命保険へ加入することにより、現金を減らす方法もあります。

メリットは、相続税法上の優遇だ。

被保険者が亡くなった後、法定相続人が受け取る死亡保険に関して、500万円×法定相続人の数の非課税枠が適用されます。

また、受取人が指定されている死亡保険金は遺産分割の対象とはなりません。

受取人は署名・押印のみで確実に受け取ることができます。

生前贈与はここに注意

贈与は双方の同意があって、初めて成立します。

そのため、もらった側にその自覚がない場合は、贈与とは認められません。

例えば、子供の名義の通帳をつくって親が毎年、110万円ずつ入金するケース。

子供が自由に使えない、入金のみで出金の記録がないなどは、名義預金として税務調査で真っ先に疑われてしまいます。

また、相続開始3年以内の相続人への贈与は、相続財産としてカウントされます。

贈与税を免れたとしても、相続税の課税対象となってしまいます。

しかし、贈与の相手が相続人でなければ、相続財産にカウントされません。

評価を低くする

不動産を持つ人に有効なのが、評価を低くする方法です。

節税マンション

現金や預貯金は額面のままに相続財産とされますが、現金を不動産に替えてしまえば、実勢価格よりも低く評価されます。

課税対象の評価が減るため、相続税の計算上、節税効果が大きくなるのです。

例えば、都心の中古高層マンションを1億3,000万円で購入したところ、この物件の相続税評価額は約1,900万円と、約85%も評価が下がったというケースがあります。

高層マンションは上に高い分、1部屋当たりの敷地持ち分が非常に小さくなります。

そのため、たとえ都心であっても土地の評価が低く計算されるのです。

アパート経営

アパートを建築して賃貸経営をすることで、相続税評価額を1/3まで下げる方法もあります。

建物を新築すると、相続税評価額は建築費総額の40〜50%前後になるのが一般的であり、さらに賃貸に出しているので評価額はその70%です。

1億円のお金でアパートを経営すると、相続税評価額は1億円×50%×70%で3,500万円前後となるのです。

しかし、土地が値上がりを続けていた時代ならともかく、少子高齢化が進む現代では、一部の地域を除き、空き家リスクがあります。

それは、立地が悪ければ人が入居しない。

人が入居しなければ、その間は借入金の返済が滞り、修繕にお金をかけられず、家賃を下げることもできないため、人はさらに遠のく、といった悪循環に陥ります。

売却しようにも、借りている人を追い出すことができない。

節税目的が、破産という末路を迎えることにもなりかねません。

小規模宅地等の特例

適用要件を満たせば、自宅の敷地330平方メートルまでの相続税評価を何と80%も減税されます。

例えば、評価額が1億円の土地であれば、2,000万円の評価となるのです。

さらに自宅の敷地以外にも、事業用の土地、例えば事務所や店舗、アパートといった土地までもが対象となる場合があります。

特に地価の高い地域に自宅がある人にとっては、適用されれば抜群の節税効果を発揮します。

例えば両親が亡くなり、同居の息子が自宅を相続することになったとします。

それが都会の一等地であれば、相続税評価額が数億円となり、相続税を納めるために自宅を手放すような事態を避けるためにつくられたのが、この特例です。

適用条件は、相続する土地が自宅の土地の場合、被相続人の配偶者であれば、無条件で適用されます。

同居していた親族の場合は、相続開始の直前から相続税の申告期限まで、引き続きその建物に居住し、加えてその期間、その土地を有していなければいけません。

配偶者も同居していた親族もいない場合は、別居の孫などの親族も適用の対象となります。

その場合は、持ち家がないことなどが条件です。

制度を活用する

節税対策として、昔から活用されてきた方法です。

養子縁組

お孫さんやお嫁さん、再婚相手のお子さんなどを養子にすることで、実子と同等の法定相続人に加えることができます。

養子縁組は保証人2人と認め印さえあれば意外と簡単にできてしまいます。

養子縁組のメリットとしては、相続税の基礎控除です。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

また、生命保険や死亡退職金の非課税枠も広がります。

500万円×法定相続人の数

しかし、相続人が増えれば、たとえ相続税が減ったとしても、1人当たりの取り分も減るため、争族の火種となりかねません。

例えば献身的な介護をしてくれたお嫁さんを、相続人に加えたいと思い養子にした後、夫婦仲が悪化してお嫁さんと息子さんが離婚した場合は、ゴタゴタが起こるのは目に見えています。

養子縁組はここに注意

  • お孫さんを養子にした場合の相続税は20%増しとなります。
    相続を1回飛ばしたとみなされるからです。
  • 死亡直前の養子縁組などの場合は、租税回避とみなされることもあります。
  • 民法上は何人でも養子縁組ができるが、相続税法上は実子いる場合は1人まで、実子がいない場合は2人までと決まっています。

未来の相続を視野に入れる

被相続人が亡くなったときに、誰が財産を相続するかによって相続税も変わってきます。

例えば、お母さんがお子さんたちに多くの財産をあげたいと思っても、お子さんたちは将来、莫大な相続税を支払うはめに陥ることもあります。

配偶者が財産を相続する場合には、税額軽減の特例があるため、1億6,000万円、または配偶者の法定相続分相当額の、どちらか多い金額までは相続税はかかりません。

一方でお母さんが亡くなった場合、お父さんも含め、一気に多くの財産を受け継ぐこととなります。

しかもお母さんが親戚から財産を受け継いだばかりだったりすると、子供が支払う相続税が多額になったりします。

親子2代が支払う相続税を考えたとき、結果として節税につながらないこともあるのです。

争族

家族の数だけ、相続の形も千差万別です。

家族といえども個々別々の人であり、思惑や考え方も当然、異なります。

それ故に多くのドラマがあり、同時にトラブルも起こるものです。

例えば、子供たちが「兄弟姉妹でもめたくないので、実家の財産の内容を親が元気なうちに知っておきたい。できれば早めに財産を分けてほしい。」と考えていても、親は「何があるか分からないご時世。今後のために生きているうちは、お金を渡したくない。」「財産を残すと兄弟姉妹でもめるかもしれない。残さずに使い切ろう。」と考えているかもしれません。

そのような認識のズレが蓄積し、相続トラブルへと発展することが多いのです。

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