家族の死亡…2週間以内にすべきコト
会社員が加入する健康保険、自営業者や無職の方が加入する国民健康保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度など、日本に住んでいる人は何らかの健康保険に加入をしています。
お亡くなりになった場合は、資格喪失の手続きが必要です。
また、お亡くなりになった方を世帯主のまま住民票に残しておくことができませんので、死亡届を受理した時に、住民票の世帯主を変更します。
介護保険も保険証を返納し、介護保険料を精算します。
目次
手続き・手配 | 期限 | 提出先 |
健康保険・介護保険の手続き | 14日以内 | 市区町村役場 |
世帯主の変更 | ||
年金受給停止の手続き | 厚生年金受給者10日以内 国民年金受給者14日以内 |
年金事務所 |
健康保険・介護保険の資格喪失手続き
健康保険や介護保険の被保険者が、お亡くなりになった場合には、被保険者としての資格を喪失するため、これまで使っていた健康保険や介護保険の保険証が使えなくなります。
期限内に該当する提出先へ資格喪失の届出を提出し、保険証を返却します。
健康保険の種類
日本の健康保険には、さまざまな種類があります。
そのため、死亡後の健康保険の手続きは、お亡くなりになった方が、どのような健康保険に加入されていたのかにより異なります 。
まずは、どの健康保険に入っていたのかを確認しましょう。
健康保険
- 故人が会社員の場合
健康保険組合、協会けんぽ - 故人が公務員などの場合
共済組合
国民健康保険・後期高齢者医療制度
お亡くなりになった方が、国民健康保険に加入していた自営業者などであった場合、死亡届を提出すると、国民健康保険の被保険者の資格は無くなります。
14日以内に故人が住んでいた市区町村役場の窓口に、資格喪失届を提出し、健康保険証を返却します。
なお、故人が75歳以上であった場合には、後期高齢者医療制度に加入していますので、後期高齢者医療資格喪失届を提出し、後期高齢者医療被保険者証を返却してください。
また、お亡くなりになった方が世帯主であり、残された家族の中に国民健康保険に加入されている場合には、故人の健康保険証を返却する際に、新しく世帯主を書き換えた健康保険証を発行してもらう必要があります。
世帯主の変更を行った後、市区町村役場にて保険証と本人確認書類を持参し、世帯主の書き換えを行い、このタイミングで葬祭費や埋葬料の請求も行うと手間がかかりません。
しかし多くの場合、死亡届を提出すると資格喪失の手続きが進められますので、喪失届を提出する必要はありません。
期限 | 14日以内 |
手続き先 | 故人の住所地の市区町村役場 |
手続きする人 | 親族、代理人 |
必要なモノ | ・資格喪失届(窓口で配布) ・健康保険証 ・死亡を証明する書類(死亡届、戸籍謄本のコピーなど) ・届出人の本人確認書類、印鑑 ※後期高齢者医療制度の対象者は以下の書類も必要 ・後期高齢者医療被保険者証相続人の印鑑、預金通帳(高額療養費の支給申請を行う場合)限度額適用認定証、標準負担額減額認定証 ・特定疾病療養受領証 |
国民健康保険以外の健康保険
お亡くなりになった方が会社員や公務員の場合、職場で協会けんぽ、健康保険組合、共済組合などの健康保険に加入しています。
まずは職場に連絡を入れ、故人がお亡くなりになった旨を伝えて対応してもらうことが第一です。
一般的には、勤務先が退職手続きとともに、健康保険の手続きを行ってくれることが多いからです。
ほとんどの場合、勤務先が代行して、5日以内に年金事務所に届け出てくれます。
どのような手続きが必要なのかは、勤務先に確認してください。
あなたが手続きを行う場合には、健康保険被保険者資格喪失届、厚生年金保険被保険者資格喪失届を年金事務所に提出し、資格喪失の手続きを取ります。
保険証は、会社が所属している健康保険組合や、会社の所在地を管轄する各都道府県の協会けんぽに返却するのが基本です。
ただし、年金事務所や各都道府県の事務センターでも返却はできます。
まずは故人の勤務先に、問い合わせをしてください。
期限 | 5日以内 |
手続き先 | 年金事務所 |
手続きする人 | ほとんどの場合は勤務先が代行 |
必要なモノ | 勤務先に確認 |
介護保険
65歳以上の方、または40歳から64歳未満で、介護保険被保険者証を持っている方がお亡くなりになった場合は、死亡してから14日以内に、介護保険資格喪失届を市区町村役場に提出し、被保険者証を返却します。
故人が65歳以上の場合、介護保険料の清算を行う必要があるため、介護保険料を月額で再計算します。
仮に未納保険料があった場合には、納付するよう相続人に後日通知があります。
逆に介護保険料を納め過ぎていた場合には、相続人に還付されます。
介護保険資格喪失の用紙は、市区町村の窓口でもらえます。
また、ホームページからダウンロードできるところもあります。
市区町村によっては、喪失届を提出しなくても、介護保険証を返却するだけで、手続きが終わるところもありますので、市区町村役場の窓口に確認しましょう。
世帯主が亡くなった場合
世帯主がお亡くなりになったとしても、必ず変更手続きをしなければいけないわけではありません。
15歳以上の世帯員であれば、誰でも世帯主になることができます。
そのため、世帯主に該当する家族(世帯員)が1人しかいない場合には、世帯主変更の手続きは必要ありません。
- 残された家族が1人
- 残された家族が15歳未満の子と親権者
このような場合は、誰が次の世帯主になるのかが、明確であるため世帯主の変更手続きは必要ありません。
一方で、次の場合には世帯主の変更手続きが必要となります。
- 残された15歳以上の家族が2人以上いる
このような場合には、次の世帯主が誰になるのかが、明確ではないため、世帯主変更の届出が必要となります。
なお、お亡くなりになった方が、世帯主でない場合には、この手続きは必要ありません。
世帯主変更届は、市区町村役場の窓口に備え付けられていますので、その場で記入しましょう。
新しく世帯主になるのは、お亡くなりになった世帯主の配偶者、配偶者がいない場合は、世帯の年長者というのが基本です。
例えば、夫が世帯主、妻、子の3人家族で、世帯主がお亡くなりになった時には、妻が世帯主に、世帯主が父、子の姉弟の3人家族で父がお亡くなりになった時には、年長者の姉が世帯主になります。
新しい世帯主に依存がなければ、遺族は世帯主の変更を市区町村に届け出る必要はありません。
しかし、妻ではなく子が、姉ではなく弟が世帯主になることを希望する場合には、死亡日から14日以内に、故人が住んでいた市区町村に世帯主の住民異動届を提出し、住民票の世帯主を変える必要があります。
注意!
お亡くなりになった世帯主が自営業者で、国民健康保険に加入しており、家族の中にも国民健康保険に加入している方がいる場合、市区町村役場へ健康保険証を返却する際に、世帯主を書き換えた新しい健康保険証を発行してもらう必要があります。
手続きの際には、国民健康保険に加入している世帯員全員の国民健康保険証を持っていかなければいけません。
原則として、死亡後14日を過ぎても、喪失の手続きはできますが、遅れると保険料の減額ができなかったり、本来支払わなくてもいい保険料を支払うことになるかもしれません。
期限 | 変更が生じた日から14日以内 |
手続き先 | 故人の住所地の市区町村役場 |
手続きする人 | 新しい世帯主、その世帯の方、代理人 |
必要なモノ | ・住民異動届(窓口で配布) ・委任状(代理人の場合) ・届出人の本人確認書類、印鑑 ・国民健康保険に加入している世帯員全員の保険証 |
年金を受給している人が亡くなった場合
年金の手続きは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、故人が年金を受給していた場合、その受給を停止するための手続き、2つ目は、残された遺族が受給できる年金を請求するための手続きです。
ここでは、年金受給停止の手続きについて解説します。
受給停止の手続き
年金を受給している人がお亡くなりになると、年金を受け取る権利もなくなります。
受給停止の手続きとして、年金受給権者死亡届を、年金事務所もしくは年金相談センターに提出します。
手続きの期限は、国民年金は死亡日から14日以内、厚生年金は10日以内です。
受給停止の手続きは、届出が遅れると年金の払い過ぎとなり、後で返さなくてはいけないこともあります。
ただし、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、原則として年金受給権者死亡届の提出を省略することができます。
マイナンバーの収録状況については、年金振込通知書の住民票コード収録状況欄で確認することができます。
また、年金事務所へ問い合わせることでも確認できます。
年金受給権者死亡届の提出が必要な場合には、死亡年月日、年金証書に記載されている基礎年金番号と年金コード、生年月日などを記入し、必要書類を添えて提出します。
期限 | 厚生年金は、10日以内 国民年金は、14日以内 |
手続き先 | 年金事務所、年金相談センター |
手続きする人 | 遺族、代理人 |
必要なモノ | ・年金受給権者死亡届 ・故人の年金証書 ・死亡を証明する書類(死亡届、戸籍謄本のコピーなど) |