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新しいお別れ:イブニング葬

新しいお別れ:イブニング葬

「イブニング葬」は、江戸時代の夜葬文化に端を発し、現代における新たな葬儀形式として注目を集めています。

江戸時代までの夜葬文化は、逆さごとと呼ばれる信仰と政府の政策に基づき、霊的な意味合いが豊かなものでした。

一方で、「イブニング葬」は18時前後から始まり、お通夜と葬儀・告別式を同時に行います。

翌日の火葬は、家族だけで執り行う柔軟で効率的な新しい形式です。

これにより、参列者の時間的制約に対応し、遺族の負担も軽減されることが期待されます。

江戸時代の夜に葬られる文化

江戸時代までの夜葬文化は、逆さごとと呼ばれる信仰や幕府の政策により、葬儀が夜に行われる独特のスタイルを築き上げました。

生と死、現世とあの世の境界が交錯する夜の葬儀は、当時の人々にとって霊的な意味合いが豊かなものであり、その影響は時代を経ても残っています。

江戸時代の夜に葬られる文化

江戸時代、葬儀の文化は夜に行われ、特有の理由が存在しました。

この時代における葬儀のあり方には、人々の生活様式や政府の政策が影響しています。

「逆さごと」の象徴としての葬儀

人が亡くなることは、江戸時代において「逆さごと」とされ、あべこべの世界への旅立ちと考えられていました。

この信仰心から、葬儀も夜に執り行われることが一般的でした。

夜に行われることで、生と死、現世とあの世の境界が曖昧になり、霊的な意味合いがより強調されたのです。

幕府の配慮と昼間の集団行動禁止令

江戸時代には幕府による政策が葬儀のタイミングにも影響を与えました。

幕府は農民たちが一揆などの反乱を企てないように、昼間の集団での行動を厳しく禁じていました。

このため、昼間に大勢が一堂に会することを避け、葬儀は夜に行われることが奨励されたのです。

夜の葬儀 - 野辺の送り

江戸時代の葬儀は、現代のような形式ではありませんでした。

夜に行われるという特異性を持ち、暗闇を照らす松明を先頭に、喪主や参列者が墓地まで移動する「野辺の送り」が行われていました。

この儀式は、故人を安らかに冥土へと送り出す重要な儀式でした。

江戸時代の夜葬文化の影響

江戸時代の夜葬文化は、死生観や信仰、政府の政策とも深く結びついています。

逆さごとの象徴とされた葬儀や昼間の行動制限令は、当時の社会構造や人々の価値観を反映しています。

この文化は時代が進むにつれて変化し、現代の葬儀の形式へと繋がっていきました。

明治時代の画期的な変化

日本の葬儀文化は明治時代を境にして画期的な変革を遂げました。

最も顕著な変化の一つは、夜の葬列から昼間に大々的なものへの転換と、それに伴う葬儀業者の出現です。

これらの変化は東京を発端とし、全国に広がっていきました。

明治時代の初めには、葬儀は夜間に控え目に執り行われていました。

しかしこの慣習は変わり、昼間に大規模な葬列が一般的となりました。

また、この時期に葬儀業者が登場し、葬儀のプロフェッショナルが必要とされるようになりました。

葬儀の規模と装飾においても大きな変化がありました。

江戸時代の葬儀は一般的に控え目で質素であり、夜間に身内だけで執り行われることが一般的でした。

しかし、1880年代(明治20年代)以降、葬儀の規模や装飾が派手になり、昼に行うことが普通になっていったのです。

これらの変革が、日本の葬儀文化の豊かな多様性を築く礎となりました。

葬儀の原形

江戸時代の厳格な身分制度の崩壊と共に、葬儀は社交行事として洗練され、葬具類も大きな変革を遂げました。

昔は一度限りの使用だった葬具が貸し出せるようになり、これにより庶民も手の込んだ葬儀が可能となりました。

葬儀がより社会的なものに変化し、規模が拡大するにつれて、葬具も色鮮やかで美しいものへと変貌しました。

葬儀は末期の儀式から始まり、遺体の納棺が行われます。

親類縁者や近隣の人々が世話人を選び、葬儀屋が棺や装飾、火葬の手配を担当します。

この段階では葬儀はまだ私的なもので、親類縁者が遺体に経帷子を着せ、棺に納めます。

祭壇が整うと、僧侶が来て枕経を唱えます。

通夜には親類縁者や近所の人々が参列し、一般の人々が参加することは少なかったようです。

通夜は、夜通し続くことが一般的でした。

宗派により儀式が異なりますが、通常は食べ物や酒が提供され、賑やかなものでした。

翌朝、葬列は通常10時頃に寺に向かいます。

葬儀屋が手配した駕籠かきが籠と棺を担ぎ、改まった服装の親類縁者の男性が先導します。

提灯、花、放鳥、香炉、跡継ぎの男性が順に続きます。

埋葬場所に到着すると、位牌、香炉、食べ物、花、その他の物を祭壇に安置します。

最初に家族が焼香し、その後参列者が続きます。

夜の葬儀という新しい選択肢

夕方から夜間にかけて執り行われる葬儀・告別式の新しい形態をイブニング葬といいます。

現代の多様なライフスタイルや家族の形に合わせたお葬式のスタイルでもあります。

イブニング葬の特徴

イブニング葬は、通常の葬儀と大きく異なる開始時間が特徴の一つです。

イブニング葬の開始は、夕方の18時前後からとなります。

この形式は1日葬に分類され、お通夜を行わずに葬儀・告別式と火葬を同日に執り行います。

終了時間が遅くなるため、火葬は翌日に予定されています。

イブニング葬の開催時間

通常の1日葬が昼間に行われることが一般的ですが、イブニング葬は夕方から夜にかけての開催が特徴的です。

この時間帯の選択は、参列者に柔軟性を提供します。

仕事などの都合で昼間に参列することが難しい人々でも、夕方からの葬儀に参加しやすくなります。

イブニング葬のメリット

イブニング葬は、開催時間の柔軟性と選択肢の増加により、現代の多様なニーズに対応する新しい葬儀スタイルと言えます。

参列者にとっても遺族にとっても負担が軽減され、通常の1日葬とは異なる形で故人にお別れする機会となります。

1.参列者の柔軟性

イブニング葬の特徴的な開催時間により、仕事帰りや予定が詰まっている方々も参列しやすくなります。

2.火葬の柔軟性

火葬は翌日に行われます。

9時や10時という火葬時間帯は、比較的空いています。

通常の1日葬よりも火葬場の予約がしやすくなります。

3.遺族の負担軽減

昼間の葬儀に比べて夜の時間帯に行うことで、遺族の負担を軽減することが期待されます。

イブニング葬は、開催時間の柔軟性と選択肢の増加により、現代の多様なニーズに対応する新しい葬儀スタイルと言えます。

参列者にとっても遺族にとっても負担が軽減され、通常の1日葬とは異なる形で故人にお別れする機会となります。

お通夜を葬儀へ:翌日の朝には火葬

葬儀の形式が多様化する中で、お通夜の時間帯に葬儀を行い、翌日に火葬をするイブニング葬についてご紹介します。

夜に弔問者をお迎えし、翌日の火葬は身近な家族で完了する新しい形式の葬儀は、参列者にとって柔軟で効率的なものとなっています。

1.お通夜・葬儀

① 夕方18時からお通夜と葬儀の儀式を同時に行います。

② その後、通夜振る舞いをします。

③ 故人と参列者が対面してお別れを告げます。

④ 21時頃までに終了させることで、ご家族や参列者に無理なく参加してもらいます。

2.火葬

翌日の朝、身内だけで出棺・火葬を行います。

通常の葬儀と異なり、夜から朝にかけての時間帯に完了するため、火葬場の予約が取りやすくなります。

これにより、遺族の負担が軽減されます。

イブニング葬儀のメリット

イブニング葬は、通常の葬儀とは異なる時間帯に行われることで、参列者にとって柔軟性を提供します。

また、火葬場の予約が容易であり、遺族の負担も軽減されます。

1.参列者の柔軟性

通常のお通夜の時間帯に葬儀をすることで、仕事帰りに無理なく参加できるメリットがあります。

これにより、より多くの人が故人に別れを告げられるでしょう。

2. 火葬場の予約がしやすい

午前中の早い時間帯であれば、通常よりも火葬場の予約がしやすくなります。

今後ますます火葬場の混雑が予想される中で、この点は大きなアドバンテージです。

3.遺族の負担軽減

夜、お通夜と葬儀を同時に行い、翌朝に火葬と進行することで、従来の葬儀に比べて遺族の負担が軽減されます。

仕事を休むことが難しい方や、日中に余裕がない方にとっては有益な形式です。

注意点と配慮

葬儀の新しい形式を導入する際、参列者への理解と配慮が不可欠です。

まず、新しい形式が参列者にとって理解が難しいかもしれないことを認識し、事前に適切な情報提供を行うことが重要です。

また、宗教や家族の伝統に配慮し、関係者とのコミュニケーションを十分に図ることで、異論なく新しい形式を受け入れてもらえるよう心がけましょう。

1.参列者への周知

新しい形式の葬儀は参列者にとって理解が難しいかもしれません。

事前に適切な情報提供を行い、理解を得るよう心掛けましょう。

2.宗教や伝統の考慮

葬儀は宗教や家族の伝統によって異なる要素があります。

この新しい形式を採用する際には、関係者と十分なコミュニケーションをとり、異論なく進めるよう心がけましょう。

まとめ

イブニング葬は、お通夜から葬儀へとスムーズに進行し、翌日の朝には火葬を行う新しいプランです。

参列者の柔軟性、火葬場の予約のしやすさ、そして遺族の負担軽減など、様々なメリットが考えられます。

しかし、新しい形式には新しい配慮が必要です。

関係者との密なコミュニケーションを大切にし、無理なく進行できるよう計画を立てましょう。

江戸時代の夜葬文化から発展し、現代において新たな葬儀スタイルとして採り入れられ、夜の儀式から新たなる形態の葬儀へと変化するこの過程で、参列者への柔軟性と遺族の負担軽減が重要な要素となります。

イブニング葬は、昼の葬儀とは異なる体験となり、現代の多様なニーズに対応する新しい選択肢として存在しています。

この新しい形式が、故人への最後の別れをより意味深く、個々の生活様式に合わせたものとして捉えられていくことでしょう。

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