Blog

ブログ

事実婚の葬儀手続きとリスク

事実婚の葬儀手続きとリスク

内縁関係者が突然亡くなった際、喪主としての葬儀や火葬を行うためには、特有の手続きが求められます。

この記事では、死亡届の提出や親族の優先権、葬儀費用の確保に関する注意点を掘り下げ、感情的なトラブルを避けるための対策や法的手続きについて解説しています。

内縁関係者の死亡届手続きにおいて見落としがちなポイントも紹介し、円滑な手続きを行うためのポイントを提案します。

事実婚の配偶者が喪主になる場合の注意点と対策

事実婚の配偶者が突然亡くなった場合、喪主として葬儀や火葬を行うことは法的に可能ですが、いくつかのポイントに留意する必要があります。

まず、死亡届と火葬許可証の取得は同居の親族以外の同居者として可能です。

しかし、親族がいる場合は親族が優先されるため、慎重な対応が必要です。

特に、親族との関係が事実婚に否定的な場合や理解が得られていない場合は、感情の縺れからトラブルが生じる可能性があります。

したがって、事前にパートナーを祭祀主宰者に指定する遺言や死後事務委任契約の締結が考慮されるでしょう。

葬儀の費用についても注意が必要です。

通常、喪主が負担しますが、事実婚の配偶者は相続人ではないため、口座の凍結や財産の動かせない状況が生じます。

このため、遺言や契約で葬儀費用の準備を整えておくことが重要です。

総じて、事実婚の配偶者が喪主となる際には、法的手続きだけでなく、事前に配偶者や親族とのコミュニケーションを大切にし、円滑な進行を図ることが肝要です。

事実婚時の相続問題と解決策

パートナーが突然亡くなり、二人の貯金が全てパートナーの口座にある場合、残された一方が相続できるのでしょうか?

…という疑問が生じます。

しかし、事実婚の場合、残された配偶者は法定相続人ではないため、預金を相続することは難しい現実があります。

このような状況で遺言がないと、事実婚の配偶者は手をこまねいてしまうことがあります。
共同で購入した不動産がない場合でも、預金だけでなく、生活の基盤に関わる問題が発生します。

女性が働くことが一般的になった現代では、事実婚のパートナー同士がペアローンを組んで不動産を購入するケースも増えています。

この場合、相続人が子どもであれば財産はスムーズに移行しますが、子どもがいない場合、相手方の親が相続権を有します。

これにより残された一方と相手方の親との共有状態が生まれ、円満な解決が難しくなります。

感情の縺れや否定的な態度があれば、共有関係を解消する手続きが複雑になります。

親が相続し、名義を変更した後に売却や贈与を通じて譲り受ける必要があります。

最終的に、法的なアドバイスや専門家の協力が欠かせません。

相続問題は繁雑であり、的確な対応が必要です。

感情的なトラブルを避け、円滑な手続きを進めるためにも、早めに専門家の助言を得ることが重要です。

事実婚における財産分与請求

夫婦としての生活を営んでいたが、婚姻届を提出していなかった場合、関係を解消する際に財産分与を請求するには、関係が事実婚(内縁関係)に該当するかどうかにかかっています。

かつて内縁関係は婚姻予約として扱われていましたが、現在では最近の学説ではそれを準婚関係と見なす傾向があります。

最高裁判所は、「いわゆる内縁は、婚姻の届出を欠くがゆえに、法律上の婚姻ということはできないが、男女が相協力して夫婦としての生活を営む結合であるという点においては、婚姻関係と異なるものでなく、これを婚姻に準ずる関係というを妨げない。」と述べ、準婚関係を認めています。

最近の裁判例においては、準婚関係において婚姻関係の財産分与に関する民法768条を参考にすることが主流となっています。

この条文によれば、協議上の離婚をした者の一方は相手方に対して財産の分与を請求できます。

ただし、協議が成立しない場合や協議が不可能な場合、当事者は家庭裁判所に協議に代わる処分を請求できます。

ただし、離婚後2年以上経過すると請求が制限されます。

事実婚(内縁関係)とされる場合、パートナーとの関係が確認できれば、財産分与を請求することが可能です。

しかし、具体的な法的手続きや証拠の提出が求められるため、専門家の協力を得ることが重要です。

パートナーを亡くした際経済的リスク

パートナーを亡くすと、葬儀代はもちろん、さまざまな費用が発生します。

しかし、故人が支払う予定だったお金の存在に気を付けないと、後から思わぬ請求に苦労することがあります。

例えば、所得税は全ての人が対象ではありませんが、亡くなった人が事業経営や不動産による賃貸収入がある場合には、死後4カ月以内に税務署に準確定申告をしなければならないことがあります。

これは見逃しがちな手続きであり、早めの対応が必要です。

また、カードローンなどが未返済のまま亡くなった場合は、相続人にローン返済が引き継がれる可能性があります。

これはいわゆる“負の相続財産”であり、相続人は返済に苦しむことがあります。

パートナーを亡くした後は慌ただしい死後の手続きが続きますが、見落としがちなのは所定の手続きを踏めばもらえるお金です。

遺族年金や生命保険、退職金などがこれに該当します。

これらの手続きは、経済的なサポートとなり、暗たんたる気持ちの中でも重要な一環です。

経済的なリスクを最小限に抑えるためには、亡くなったパートナーの財産や債務を正確に把握し、早めに専門家の協力を得ることが不可欠です。

内縁関係者の死亡届

内縁関係者である最愛のパートナーが亡くなった場合、法律婚の配偶者とは異なり、死亡後の手続きには制限や課題が潜んでいます。

生前には入院や手術の際にも同意書へのサインや病状の説明が認められないことがありました。

こうした状況で最初に行う手続きが死亡届です。

死亡届を提出しないと、火葬許可証が発行されず、葬儀や火葬、納骨などが行えません。

内縁関係者の死亡届手続き

死亡届を提出することは可能であり、受理されます。

ただし、同居していても双方が異なる住所で住民登録をしている場合には、「同居人」としての提出ではなく、「親族」ではなく「同居人」としての届出が必要です。

婚姻届を提出していない内縁の夫婦では、親族としての届出はできません。

死亡届の書き方

死亡届は、故人と届出人の情報が含まれる書類です。

以下に、内縁関係の死亡届の書き方を紹介します。

【故人の情報】

氏名(ふりがなも含む)

性別

生年月日(和暦で記入)

死亡した日時

死亡した場所(住所)

住所(住民登録のある場所)

世帯主の氏名

本籍地と筆頭者の氏名

亡くなった人の夫または妻に該当するか(未婚、死別、離別を選択)

亡くなった人の職業・産業

【届出人の情報】

関係(内縁の妻・夫の場合は「同居人」にチェック)

住所

本籍地と筆頭者の氏名

署名(印鑑は任意)

内縁関係者の注意点

内縁関係者で死亡届を提出する場合、以下のポイントに留意することが重要です。

【親族がいる場合は確認】

内縁関係者に親族がいる場合、親族が優先されることがあります。

親族との関係について確認しましょう。

【個人情報の取り扱い】

内縁関係者は法的な夫婦ではないため、死亡診断書の請求などで個人情報が制限されることがあります。

内縁関係者の死亡届手続きは、的確な情報入手と早めの手続きがスムーズな葬儀や火葬、納骨を可能にします。

状況により異なるため、葬儀社の担当者に確認しながら手続きを進めることがおすすめです。

まとめ

内縁関係者の死亡届手続きは、感情的な喪失と法的手続きの両面にわたり、様々な挑戦が待ち受けています。

しかし、事前の計画やコミュニケーションが円滑な手続きに繋がります。

最愛のパートナーが亡くなった場合、事実婚や内縁関係においても、冷静に情報を整理し、葬儀社の専門家と連携しながら手続きを進めることが大切です。

また、内縁関係者の場合は、法的権利が制限されることもありますが、近年では事実婚に対する社会的な認識も変化しています。

自治体の体制も整備され、内縁関係者にも同等の権利が認められるようになっています。

個々の状況により異なるため、専門家のアドバイスを受けながら、適切な手続きを進めていくことが望ましいです。

ブログ一覧

Contact
お問い合わせ

お問い合わせはお電話・メールフォーム・LINEより承ります。
お気軽にご相談いただければ幸いです。
ご危篤・ご逝去でお急ぎの場合は【至急】お電話ください。

事前相談をしていただくと、「お葬式で使える1万円割引券」を無料プレゼント