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原点回帰:自葬ガイド

原点回帰:自葬ガイド

「自葬」は、僧侶や神官に頼まずに、自分で親族の葬儀を行う形態です。

歴史的には1872年の自葬禁止令から始まり、信教の自由を認める現行憲法により変遷しています。

昔ながらの形態から解放され、個人の信仰や意向に基づいた柔軟な葬送儀礼が可能です。

この記事ではさらに、自葬の具体例やDIY葬プランの提案、手続きから火葬場への搬送までの流れをご紹介しています。

負担が軽減される一方で、昔ながらのやり方に立ち返ることで新たな選択肢が広がります。

日本の自葬:歴史と変遷

「自葬」は、僧侶や神官に頼まずに、自分で親族の葬儀を行うことを指すとされています。

これは自由葬や無宗教葬とも呼ばれ、個人が葬儀において主体的な役割を果たす新しい形態です。

1872年、明治5年6月28日に太政官から自葬の禁止令が出されたことが歴史の一節です。

この令により、かつての慣習としてではなく法的に、葬儀には僧侶や神官の介入が必須とされました。

太政官布告は明治19年に内閣制度の発足により廃止されましたが、現行の日本国憲法に反していない限り、法的には現在も有効です。

日本国憲法第3章第20条では信教の自由が保障されており、現在では葬儀において僧侶や神官の介入が必須とされることはありません。

これにより、個人の信仰や意向による自由な形態の葬儀が可能となりました。

明治5年の自葬の禁止令が、現代において俗に『葬式仏教』と揶揄される一因となっている可能性も考えられます。

日頃は信仰心が薄いと感じる方でも、葬儀になると急に宗派や菩提寺のことを気にすることがあります。

しかし、自葬の禁止令が出されたのは約150年前。

現在ではその制約はなく、個々の信仰や意向に合わせた葬儀が可能です。

「自葬」は、伝統的な葬儀の枠にとらわれず、個人の信仰や思いに基づいて葬送儀礼を自ら主導できる新しい選択肢として注目されています。

自葬の具体例

様々な形式の具体例をご紹介します。

以下は、具体的な自葬の例です。

1.自由葬儀

遺族や友人が集まり、お互いに思い出を共有し、故人の最後を心から惜しむ形式です。

儀式の進行や参加者の発言、音楽の選曲などが遺族や故人の希望に基づいて自由に行われます。

2.無宗教葬儀

宗教的な儀式を排除し、宗派に縛られずに葬儀を行います。

人生の哲学や価値観を反映させたセレモニーが中心で、仏教や神道以外の要素も取り入れられることがあります。

3.個人的なセレモニー

故人が好んでいた場所や趣味にフォーカスしたセレモニーです。

例えば、山や海、仕事場や思い出の場所などで行われ、参加者が自由に故人への思いを表現できる形式です。

火葬を行い遺骨で行う骨葬が適しています。

4.家族葬

親しい家族だけで行う小規模でアットホームな葬儀です。

神職や僧侶を招かず、家族の手で葬儀の進行や火葬の手配を行うことがあります。

これらの例は、伝統的な枠にとらわれない葬儀形式の一部です。

自葬の選択肢は多岐にわたり、故人や遺族の思いに合わせて柔軟にアレンジされています。

自分たちで葬儀を完結できるか?

葬儀がますます小規模化するのであれば、葬儀社に頼らずに自分ですべて行う選択も考えられます。

通常、亡くなった人の葬儀や火葬は「葬儀社」を介して手配されますが、これらの全てを自分で行おうというアイディアです。

臨終から遺体の搬送まで

病院や施設で最期を迎えた場合、通常は「すぐに退院してください」と告げられます。

基本的には、葬儀会社や搬送業者に連絡し、故人を自宅か安置施設に運び出す必要があります。

自分でこのプロセスを行う場合、自家用車を使用して搬送を行います。

一般的には、遺体搬送には業者の寝台車や霊柩車が必要と思われがちですが、法的には自家用車でも問題ありません。

ただし、必ず「死亡診断書」を受け取り、それを搬送中の車に携行するようにしましょう。

搬送途中に警察などが確認する場合、「死亡診断書」がないと事件を疑われ、非常に面倒な事態になります。

また、公道を走行する際には、周囲の人々から故人が見えないように気配りするなどの配慮が必要です。

自宅での遺体の安置と火葬場の手続き

自宅に到着したら、故人を布団に安置します。

遺体をできるだけ良い状態で保つために、保冷剤を使って体を冷やします。

葬儀会社は、ドライアイスを使用します。

部屋はできるだけ涼しく保ちましょう。

その後、故人の住んでいた自治体の火葬場を予約します。

もちろん、葬儀社が手続きをするのがスムーズですが、一般の人でも予約は可能です。

ただし、法的には死後24時間以内は火葬ができません。

また予約後は、基本的にキャンセルはできません。

火葬場での確認事項

① 到着時間は何時何分が適切か?

② 車をどこに着ければいいか?

③ 支払いは市役所か?それとも火葬場か?

④ 骨入れの他に持参するものは?骨上げ用の箸、線香など…

納棺 (故人を棺に納める)

現在は棺もネットで手に入ります。

必要であれば骨入れ(骨壺)も同時に注文できますが、発注から届くまでに最低でも2~3日かかります。

この期間、遺体が傷む可能性があるので、あまり気分が良くないかもしれませんが、できるだけ早く事前に手配しておきましょう。

柩には布団を敷き、故人を納めます。

火葬がまだ日数がかかる場合は、保冷剤や消臭剤も入れておくと良いです。

長野県佐久市に拠点を置く葬祭業ベンチャー、つばさ公益社は、「DIY葬プラン」を販売しています。

このプランでは、葬儀事業者を使わずに、家族などが手軽に「自葬」を行えるようになります。

木棺、骨つぼ、火葬の手続きなど、自葬に必要な準備を手助けするためのガイドがセットになった商品で、アマゾンや自社の通販サイトで入手可能です。

価格は2万5800円(税別)で、葬儀費用を抑えたい人たちにとって魅力的なオプションとなっています。

役所への手続き

病院からもらった「死亡診断書」を使って、役所に「死亡届」を提出します。

手続きの前に、何枚かコピーをとっておくと良いです。

後の手続きで必要になることがあります。

「死亡届」に必要事項を書き込んだら、印鑑も必要な自治体もあります。

夜間や休日でも受け付けている役所がありますので、火葬の前日までに手続きを進めましょう。

届け出が完了すると、役所から「火葬許可証」が発行されます。

この証明書は葬儀当日まで大切に保管してください。

事前に火葬場に提出するケースもあります。

搬送車の用意

火葬場へは故人を棺に納めて運ぶ必要があります。

体だけであればセダンでも良いですが、棺は曲げたり立てたりできませんので、180cmの棺が収まる車が必要です。

シートを倒して積むことができるワゴン車、または軽トラックや貨物車などの荷台がある車を用意しましょう。

もしレンタカーを使う場合は、契約書に遺体の搬送が禁止されていないか確認が必要です。

火葬場への流れ

用意した車に棺を積み込んで、火葬場へ向かいます。

出発前には時間に余裕を持つようにしましょう。

ただし、霊柩車ではないため、周りの人や車に気を配ることが大切です。

火葬場に到着すると、職員が入口で迎えてくれます。

一緒に棺を台車に載せ、その後事務所で「火葬許可証」を提出し、火葬料金を支払います。

骨入れを指定の場所に持参します。

その後、火葬場職員の案内で故人に別れを告げ、出棺します。

待合室やロビーで収骨を待ちますが、約1~2時間後に収骨が行われ、「埋葬許可証」が発行されます。

棺など必要な物を事前に用意しておけば、費用をかなり節約できます。

葬儀会社に頼む代わりに、自分たちでやるので手間はかかりますが、もともと葬儀は昔から地域の協力で行われていました。

自分たちで行うことで、実は昔ながらの方法に戻り、葬儀の負担が軽減されるという一面もあります。

まとめ

「自葬」は、個人が葬送儀礼において主導権を握る形態であり、日本の歴史と変遷を通してその選択肢は広がります。

現代では、DIY葬プランや様々な具体例を通じて、自分らしい葬儀を実現する手段が整っています。

費用の節約や、昔ながらのアプローチは、個人の信仰や意向を尊重し、葬儀の負担を軽減する可能性を提示しています。

これからも自葬は進化し続け、多様な選択肢が提供されることでしょう。

自分らしい最期を迎えるための新しい一歩を踏み出すことが、これからの時代の流れとなるかもしれません。

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